金銀財宝☆只野編隊 金銀財宝☆只野編隊

EPISODE

奇妙な移転先

こちらのエピソードは語り音声をお聴きいただけます。

中野の南口に丸井というところがあるんですよ。皆さんご存じですか?
あのデパートの丸井ですね。日本で初めて分割払いっていうのを始めた場所でございます。
中野の北口には、その丸井の本社ビルがあるんです。
その本社ビルの真下に、15~16年前にサンクスがあったんですよ。
そこでのお話part1。

まず、この店に行くきっかけになったのが、またおかしな感じで行くことになったんです。
東中野の駅前に、サンクスが2店舗あったんですよ。
手前にある店舗じゃなくて、もうちょっと駅よりも離れているところにあるサンクスで働いていました。
その店舗は売り上げがあまり良くなかったのかな? まあ、もうちょっとで閉店しますという感じになっていたんですね。
閉店まで半年ぐらいは掛かるかと思ったんですけど、急なことに1か月後には閉店しますってお話があったんですよ。
閉店まであまりに早い展開だったのですが、実は、中野北口のサンクスでトラブルが発生したとのことでした。
中野北口の店舗が運営できないので、申し訳ないが、隣の駅の東中野のサンクスを閉店して、東中野で働いている店長さんを含め、店員さんたち全員移動しましょうという、本部からお達しでございました。
私は高円寺に住んでいたんで、勤務先が近くなるわけで別に問題もありません。
中野北口で何が起こったのかは分かりませんが
「分かりました、中野北口に行きます。」
ということになりました。

その話から1か月後に東中野サンクスは閉店し、私は中野北口の店舗に移動したんです。
その店舗は丸井の本社ビルの真下にございました。
今はその店舗は無くなって、やよい軒という定食屋さんになっている場所です。

それで、この店舗に行ったのはいいんですが、おかしいんですよ。入り口に警備員が立っているんです。
「何だ、このお店は? 何があったんだろう?」
という感じでした。
仕事の内容は一緒ですから、物がどこにあるかが違うだけで、慣れるためにそのお店で働き始めたんですよ。
それで、なぜその店の入り口に警備員が立っているのか?なぜ全員で東中野から移動してきたのか? いろいろ聞きだすわけですね。そうすると、店長さんが
「ここの店、売り上げはすごく良いんですよ。」
何て言ったって、丸井の本社の真下でございますよ。それはお客さんいっぱい来ますよ。人も通るし……。
「売り上げが良いこの店舗、店長の家族経営だったみたいなんですが。なんと夜逃げしちゃったそうなんです。」
「はあ? 何があって夜逃げしたんですか?」
「売り上げは良いんですが、店長がギャンブルにハマっていまして。そしてもう首が回らなくなるくらい借金がどんどんどんどん増えていって、もう逃げざるを得ない状況だったと。それで、お店を捨て、店員(スタッフ)を捨て、店長とオーナーが自らバックレてしまったそうなんですよ。」
「はあ? 何ですか、それ。ここで働いていたスタッフはどうしたんですか? 残っているバイトの人たちだって働けるじゃないですか。」
「それがですね、入り口に警備員が立っているじゃないですか?」
「はいはい、おかしいと思います。」
「あれね、この店に取り立てが来て、前の店長の下で働いていたスタッフに『おまえ店長の知り合いなんだから、おまえが払えよ!』という取り立てをしてきたそうです。これじゃ働けないってことで、皆さんやめていったそうです。それで、誰もいなくなったので、東中野のスタッフを中野の店に移動させたそうなんです。」

いやはや、ひどいですね。全部捨てちゃった。
それで、警備員の方は半年ぐらいいましたよ。私が働いていたときも取り立て屋が来ました。
「私は知りません!」 ということがありましたけどね。

というお話でした。

【お詫びと訂正】
音声では、勤務していたサンクスは「中野の南口」と語っておりますが、正しくは「中野の北口」となります。
お詫びして訂正いたします。