金銀財宝☆只野編隊 金銀財宝☆只野編隊

EPISODE

コンビニ怪談(2人で見ちゃったシリーズ)

今回はね、7月でございますよ。暑い夏。
まさに30年も夜勤をやっていると、不思議なこととか、これ何だったんだろうな? という経験をするわけですよ。16店舗、30人の店長と一緒に仕事をしてきた、変な歴史を持っているんですが……。その中で、いろんな不思議な話をいっぱいまとめたら、ものすごく出てきたんで、今回は1つのカテゴリーに分けまして、このお話をしていこうかな。

Part1 ビデオに映った女

これは20年くらい前ですね。
西東京市の西武柳沢という駅から歩いて30分のコンビニで夜勤やっていたんです。
私はずっと高円寺に住んでいるんですが、チャリンコで片道10kmですよ。バカですね。私、片道10kmもチャリンコでバイトに行っていたんですね。面白いし、運動にもなるし……。そこは本部直営のお店だったんですが、2人夜勤でしたね。一緒に入っていたのが佐藤君という、同じ苗字のミュージシャンだったかな。あれは夏だったかな? ちょっと本当に古い話なんで、冬だったのかも?

まあ、深夜ですよ。
一緒に仕事して、雑誌を出したり、掃除をしたり、お菓子とかお弁当を出したりして、一段落つく3時か4時ぐらいに、女の人が入ってきたんですね。20代後半か30代前半ぐらいの女の人が入ってきて、そのまま、物とか買うんじゃなくて、トイレに入って行ったんですよ。こっちも
「いらっしゃいませー。」
と一言声を掛けたんですが『トイレを貸してください』も、何も言わずに入っていったんです。まあ、いいかと思って『じゃあそろそろ休憩しようか?』みたいな感じで休憩室に入って、僕はレジのほうを見ながら接客みたいのをやっていたんですが……。いつまでたっても出てこないんですよ。あれ?
「佐藤君?」
「はい。」
「今、入ったよね? 女性の人?」
「入りましたね。」
「おかしくない? 出てこないよね? 俺、ちょっと見てくるわ。」
と言って、ドンドン、ドンドンとトイレのドアをたたいたんですが、反応ないんですね。あれ? と思ってガシャってやったら、ドアが開くんですよ。鍵が閉まっていないんですね。「あれ? 入ってないや。うーん。 佐藤君?」
「はい。」
「あの、いないよ。出た?」
「いや、出たら音がしますよね? 入ってきたときのチャイム。」
「あれ? 入ってくるときもしたっけ?」
「ちょっと覚えていないですね。」
「ちょっとさ、ビデオ見て。」
「はい。うん。映っていますね。うん、入っています。あれ? あれ? 出てくる映像が無いですね。」
ええ? 何それ? 入ったときの映像があって、出たときの映像が無い。トイレにはいない。お店の中にいない。何だこれ?
という、1発目のお話。

いや、何ですか? 最初に映っていて、最後に映っていないという、何だこれ? と思って、お互い疲れているのかな? いや疲れているといってもねえ……。不思議だね、という経験をしました。西武柳沢でしたね。

Part2 朝8時30分の小学生

Part1話を、今の練馬のコンビニの店長にしたんです。
そしたらまあ、びっくりするのかな? 『怖いですね』ってくるのかと思ったら、その店長、うんうん、うんうん、と、うなずくんですよ。
「佐藤さん、僕も経験あります。」
「えっ? マジですか?」
「はい。今、僕、店長なんですけど、前にこの店の近くのコンビニでバイトをやっていたんですが、朝の8時半ぐらいに、主婦の方がレジをしていて、僕が隣のもう1つのレジで発注をしながらタブレットをいじって接客していたんです。そしたら、小学校低学年の男子生徒かな? 店の中にボーンって入って行ったんです。そして、そのままトイレに消えていったんです。」
「うん。」
「こっちも『いらっしゃいませ』と言って、トイレに入っていったんで『まあまあ、まあまあ、トイレか……。』と思っていたんですが、さっき、佐藤さんが言ったように、いつまでたっても出てこないんですよ。」
「ええ?」
「それでね、その主婦の方と『今、入りましたよね?』『入った、入った。出てこないよね?』『ちょっと僕、見てきます。』『うん、見てきて』と見に行ったら、いなかったんです。」
その店長は、おかしいと思ってビデオを確認したら、そのときは映ってなかったそうです。
何でしょうね? 1人で見たのか、見てないのか、というのがあれば『ああ、俺、疲れているんだな?』とか、勘違いかと思うんですけど、2人で見ていて、いないっていうのは、しかも朝の8時半……。
そういえば
「昭和の初期の、古い感じのランドセルを背負っていました。」
と言っていましたね。いや、そのお店は駅前ですからね。分からないですね。場所は関係ないですね。時間も関係ないんですね。

おかしな経験のお話を聞かせていただきました。

Part3 雨の日の配送ドライバー

皆さん持っているんですね。コンビニで働く方も。それで、Part2の話を店長と話した後、もう1か所違うお店。そこでも働いていたんですが、これも練馬ですね。

それはね、深夜です。結構強い雨の日でしたね。
僕は、その店は夜中の10時ぐらいから朝8時まで入っているんですけど、夜中の10時から11時まで1時間だけ仕事が忙しいんで、女の子が1人残ってくれているんです。トウちゃんという、中国の、本当にかわいらしい、仕事を一生懸命してくれる女の子です。その女の子と一緒に入っていたときですね。まあ、ある程度仕事が終わって、そろそろお弁当が来るかな? なんて思っていたら、来なかったんです。
「ちょっと遅いね。ちょっと時間あるから、レジのほうも頼むよ。僕、お弁当が来るまで客席のほうを掃除するわ。」
と言って、客席のほうに掃除の道具を持って、掃除しようと思ったら、トラックの運転手が入ってきたんです。
「あー、来た来た、来た来た。ああ、良かった、良かった。」
じゃあ、一緒にお弁当を出そうかと、掃除する場所からお弁当のコーナーに行ったら、お弁当が置いていないんですよ。
「あれ? トウちゃん、今、入ってきたよね?」
「入ってきました。」
「お弁当無いよ?」
「えっ? どういうこと?」
「今、入ってきたよね? 見たよね?」
「見ました。」
おかしいな、勘違いかな? まあいいか、と思って掃除に戻って、トウちゃんは時間になったんで
「じゃあ、お疲れさまでした。」
と帰って行ったんですね。
それから15分から20分したらお弁当の配送の方が来たんですよ。僕は、一度お弁当を持って来たけれども、間違って他の店のお弁当を持ってきて、他の店に戻ったのかと思っていたんで
「さっき来ましたよね?」
と配送の方に聞いたんですよ。そしたら
「いや、今が初めてです。」
と言うんです。
これ、生きている人ですからね。何でしょうね。真面目で口数の少ない方なんですが……。
その人も佐藤さんっていうんですよ。偶然です。
おかしいなあと思って……。だからこれは。まあ生きている方が出す、まさに『生霊』ってやつなのかなと思ったんです。
次の週、トウちゃんに
「トウちゃんさ、もしかしたら、何か霊感みたいなもの持っている?」
と聞いたら
「ああ……。」
「えっ? 否定しないの?」
「はい。小さい頃、中国のおばあちゃんの家に遊びに行ったら、大きなお家なんですが、門を入ったところに井戸があるんです。そしたら、その井戸に、真っ白い人間っぽいのが立っているんです。それでおばあちゃんに『おばあちゃん、これ何、この人、誰? この人、誰?』と言ったらね、おばあちゃんが『もう、いいから。』って連れていったと……。
持っているんじゃねえか、霊感。

退勤後……。
店長にビデオを確認してもらいましたが、15分前に来たはずのドライバーは映っていませんでした。
私とトウちゃんが同時に誰もいない店内を振り向いている映像だけでした。

という、おいしいのを頂いたというお話でございまして、今回は怪談でございました。

【後日談】
考察・朝8時30分の小学生を見た店長さんから聞いた話

一緒に仕事をしていた主婦の方、かなりの霊感の持ち主だそうでした。
霊感を持っている人が近くにいると、見えないものが見えてしまうのかもしれないですな。
『ビデオに映った女』のときのミュージシャンの佐藤君も霊感があったのかもね……。
もしくは、金銀財宝☆只野編隊に霊感があるのかもしれない……。

金銀財宝☆只野編隊のごきげんなラジオ
2024.07.20 O.A.より