金銀財宝☆只野編隊 金銀財宝☆只野編隊

EPISODE

なんでわかった・・・

先月、初の怪談ものというか、私が経験した奇妙な体験をお話ししましたね。
このような奇妙な体験は、まだまだあるんですよ。
今は8月で、まだまだ暑いので、ちょっとその話をしたいと思います。

これは中野区のコンビニ夜勤で、私が体験した出来事です。
1年半ぐらい前……。何月だったかな。春先4月から6月ぐらいの間だったかな。
そのお店の夜勤、私は夜中の10時から朝の8時まで勤務しています。10時から12時は忙しい時間帯で、いろいろと仕事が入るんで、この2時間だけ、もう1人勤務されている方がいるんですよ。ハーフ夜勤という形で入っているんですが、そのとき入っていた人と一緒に経験したお話ですね。

まずね、京都の伏見稲荷神社という、結構有名な神社があるみたいで……。私は行ったことがないんですが、そちらの近くのコンビニで働いていたA君という男の子が入ってきたんですよ。その子と2~3か月一緒に仕事をしていたんですね。20~21歳くらいの男の子でしたね。
そして、そこから1~2か月後、A君が店長から『コンビニで働ける知り合いはいない?』なんて言われて『あ、います! ちょうど一緒に東京に来たんで働けると思います。』みたいな感じで、京都の伏見稲荷神社近くのコンビニで働いていた、A君のお友達のH君という男の子が来たんですね。
今回は、そのH君と一緒に入っているときのお話です。

このH君は、声優さんを目指して東京に来たみたいです。20歳でしたね。
それで、バイトをしなきゃならないので、一緒にバイトをしていたんですが、私のいるお店の他に、もう1か所、別の近くのお店でも夜勤のバイトをやっていたのかな……?

まあ、私たちは2時間一緒に働いているんですが……。
最初はあまりしゃべらなかったんですが、だんだん仲良くなっていって、お話しするようになっていきました。そしたら急に、H君が
「佐藤さん、オカルトって好きですか?」
と聞いてきたんですよ。何だ、急に? と思ったんですけど……。
私はぶっちゃけ、本当にオカルトが大好きで、小学校の頃、初めて買った本が『水木しげる大全集』でございまして、もう妖怪とかムーとかいうのも読んでいましたね。もうネッシーとかUFOとか大好きで、もちろん幽霊とかも大好きで……。まあ、そういう人間なんですが、いきなり『オカルトが好きですか?』と聞かれたから、何でだ? と思ったんですけども、すぐに
「うん、大好きだよ! 何で?」
と聞いたら
「あの、少し仲良くなったんで、僕、お話ししますけど、オカルトが好きなんですよね?」
「ああ、好き! 好きだよ。」
「あのですね、僕、霊感があるんですよ。」
ドンってきましたね。いきなり……。
「ああ、霊感あるの? ええ? すごいね。」
と答えるしかなかったんですが、とりあえず
「どんな経験したの?」
と聞いたんですよ。そしたら
「もう、本当に小っちゃい時から、物心がつく前からそういう経験していて慣れちゃっていると、普通にお化けさんとか幽霊さんが見えます。もう家の中で金縛りにあったり、幽霊みたいなのを見たり、おかしなことがありすぎて、もう慣れちゃっているんですよ。」
と……。
H君のお母様は、それを遥かに凌駕する霊感がある方みたいで、神社とかに行って写真を撮ると、心霊写真なんか撮れる方もいるんでしょうが、H君曰く、お母様は神様の写真も撮れてしまうという感じで話していまして……。
「ええ? 神様の写真? 何それ?」
「見ますか?」
「ああ、見たい、見たい。」
「ただね、佐藤さん。神様と言っても、良い神様もいれば、悪い神様もいるんですよ。多分、この写真は悪い神様だと思うんですよ。まあ、力がある神様なんで、人間側が寄り添って神様として崇め奉っているというような神様もいるんです。そういう神様ですけど見ますか?」
「ああ、それはいいわ……。」
ということで断ったんですよ。
いや、見たほうが良かったんだと思うんですがね。まあ、とりあえず芸人なんでね……。
まあ、とりあえず断って、そういう話をしながら
「いや、いろんな経験をしているんだね。すごいね。金縛りとか普通に見えるの? 神様ってこういう感じなんだよね。こんな感じなんじゃない?」
みたいな話を盛り上がってやっていたんですよ。もちろん、接客しながらお客さんがいなくなった間にですよ。

そして、彼はハーフ夜勤なんで12時に上がるとき……。
「いや、佐藤さん。じゃあ、僕、これで帰りますんで。」
「ああ、お疲れさま。またお話ししようね。」
と言った帰り際に……。
「佐藤さん、実は言い忘れていました。僕からこういう話を聞くと、聞いた人におかしな現象や体験をしてしまうんです。」
ということを、最後の最後に言って帰ろうとしたんですよ。
「おいおい、ちょっと待て。何だ、それは? ちょっと、どういうこと?」
「あの、僕、こういう能力があるせいでいろいろ悩みがあって、もう耐えられなくて、小学校とか中学校とか、いろんな人に、いろんな人というか、友達に相談したんですよ。そしたら、最初は分かんなかったんですけども、相談した人たちにおかしな現象が起き始めたんですよ。」
「ええ、何それ? どんな?」
「例えば、お家に帰るじゃないですか。」
「うん。」
「お家に帰って、1人でお家に入っていると、いきなりドアがドンドンドンドン、ドンドンドンドンと叩かれる。開ける。誰もいない。壁から音がする。足音がするという現象が、僕から話を聞いたお友達、たくさんの方々に起こってしまって、僕は話をしないようにしていたんですよ。でも、佐藤さんはオカルト好きだっていうんで、ちょっと仲良くなったんで話をさせていただいたんです。気を付けてください。」
「おい、ちょっと待ってくれよ。おまえ、それを先に言ってから話せよ。さっきの写真のこともそうだし、何なんだ? すげえな君は?」
まあ、私もオカルト好きですから、興味はあったんですけどね。

H君がお店を後にして帰ったとき、彼とすれ違いざまに70代くらいの老夫婦が入ってきたんですね。帽子を被って、地味な服……作業着みたいな感じの服を着た、白髪交じりのおじいさんがいて、隣には和服を着た、髪の毛を後ろで縛っている、パッと見おばあさんなのかな? おじいさんの嫁さんなのかなって思う感じの方が入ってきたんです。
すれ違いざまに、帽子をかぶった老人が私を睨みつけて、急に怒鳴ってきたんですよ。入ってきてすぐですよ。何にも接触していないんですよ。H君とすれ違いざまにです。
「おい、おまえ。何だこれ? むかつくな、おい。こっち来い。おい。謝れ!」
「謝れ? え? 僕、何かしました?」
そしたら、一緒にいた和服を着た女性が
「やめなさい、やめなさい。」
と言って止めてくださったんですが、おにぎりを購入して、すぐ諦めた感じで店の外に行っちゃったんですよ。
『おいおい、止めねえのかよ?』
そのとき、夜中の12時ぐらいですよ。お客さんも10人以上いまして、並んでいるんですよ。そういう状況で、お店の中も煌々と光っています。もちろんコンビニですから。その中で
「おい、外に出ろ、おまえ。」
と言い出してきて……。
「いやいや、勘弁してください。」
ああ、この人は酔っ払いか。マジかよ、マジ面倒くさい。でも、ここまで言ってくるのか? これはもう、警察を呼ぶしかないなと思い、とりあえず接客しながら
「ちょっと待ってくださいね。今、対応しますから。」
と言ったんですよ。それで、お客さんが少しいなくなってきたときに
「何ですか? 僕が何かしましたか?」
と言ったら
「おい、おまえ、腹立つな。外に出ろよ。」
よし、もうこれは警察を呼ぼうと思ったときに、さっきH君と話したことをちょっと思い出したんですよ。
『僕と話した、僕の話を聞いた後に何か起こりますよ。』
ええ? 嘘だろう? 起こるっていったって、すぐ? いやいや、普通、心霊番組にしてもホラー映画にしても、ちょっと時間が経った後じゃない? 1時間後、家に帰った後、そういうときじゃない? すれ違いざまに、たらいがボーンと落ちてきた感じで起こるのか? 嘘だろう。確かに、さっき神様の話していたし、幽霊の話とかしていたよ。ええ、嘘だろう。マジか……。この人、そういう人? 神様とか、何かに憑りつかれた? そういう感じの人? と、心に一瞬思ったんですよ。そしたら、その老人が何て言ってきたと思いますか?
「何で分かった?」
そう言ってきたんですよ。
私はハッとなって……。まあ、2度見、3度見は分かるけど、2度聞き、3度聞きですよ。は? 何で分かった? え? 私、今は何もしゃべっていないし、心の中で思っただけですよ。え? もしかしたら……。僕もキュッと切り替えて
「そういう方ですか?」
と聞いたんですよ。そしたら
「何で分かった?」 と言ってきたから 「え? そっちの人ですか? え? もしかして神様とか、そういう人ですか?」
店内で、他にもお客さんがいるんですよ。そしたら
「おまえ、何で髪の毛を金髪にしているんだ?」
と聞いてきて
「これは白髪を目立たなくするためです。」
とか言ったら、急に
「おまえ、いい奴だな。」
さっきまで外に出ろって言って、何か訳が分かんない、切れていた老人が握手を求めてきたんですよ。それで握手して帰っていったんです。

こんなことがあったから、後日、H君に
「こんなことあったよ。君、マジか?」
と、ビデオの映像を見せたら
「あ、ほんまや? へんなことが起こっていますなあ。」
と言ってきて……。まあ、関西の人なんで。

この話があって、H君を紹介してくれたA君に聞いたんですよ。一緒に仕事しているときに
「H君って、そういう能力あるの?」
「いや、知らないです。」
「H君、A君は知らないって言っているよ。」
「ああ、興味のある人にしか話をしないんで……。実は僕、そういう能力を持っていて、君には言わなかったんだよ。」

帰り際に、僕がA君に
「何かあるかもしれないよ?」
と言って帰って、私が仕事が終わって30分後……。A君からLINEが届いて
『佐藤さん、シャレになってないです。僕、あの後帰った30分後、彼女のお父さんからLINEが来まして、実はその日、彼女とデートをする予定だったんですが、彼女が泡を吹いて倒れたんです。救急車で運ばれました。原因が不明なんですよ。いやあ。佐藤さん、シャレになってないです。』
という内容でした。

これは、本当にあったお話でございます。

金銀財宝☆只野編隊のごきげんなラジオ
2024.08.22 O.A.より