金銀財宝☆只野編隊 金銀財宝☆只野編隊

EPISODE

みっちゃんの○○な話 2

前回の『みっちゃんの○○な話』が好評で、みっちゃんのお話をもっと聞きたいという感想を頂きました。
今回は、過去に放送された内容になりますが『金銀財宝☆只野編隊のごきげんなラジオ』第1回放送にご出演いただいたみっちゃんのお話を、対談形式でお届けします。

金銀財宝  今回は、何と偶然、私の母親が東京にいらっしゃっていまして、こういう機会はないということで「どうですか? 出ていただけませんか?」と言ったら、もう渋々ですが、来ていただきました。本日、第1回目のゲストはこの方です。どうぞ!
みっちゃん 佐藤明洋の母です。
金銀財宝  はい、お母様、ありがとうございます。そうですね、本名をそのまま呼ぶのも何だから『みっちゃん』と呼ばせていただきます。みっちゃん、よろしくお願いいたします。私、ここで7~8年ラジオをやっていまして、今回ピンになりまして……。すみませんね、こんな変な格好でいるんですが……。50歳になってこの格好で母親と対面するという。いつもラジオは聴いてくださっていたんですよね? 以前のね。
みっちゃん はい。
金銀財宝  今回は偶然、出る側になりましたが、よろしくお願いします。
みっちゃん よろしくお願いします。
金銀財宝  じゃあね、どうしようかな? あんまり話したことない話からいこうかな? じゃあね、最初に小さい時の思い出とか言っておきますか? 何かありますか?
みっちゃん そうね、今でも忘れられないことは、私、教会幼稚園に行っていたんです。
金銀財宝  教会幼稚園?
みっちゃん 教会幼稚園ね。それで、戦後でしたから、食料難とかいろいろありまして……。お弁当を持っていくんですけれども、米粒1つ残してはいけないんですよ。それを、幼稚園の先生が指導してくださって。だから、物の大切さというというものを学びました。
金銀財宝  あら、いい幼稚園。
みっちゃん そうですね。
金銀財宝  それは、教会だからキリスト教なんですか?
みっちゃん いえ、全然関係ないんですよ。私の町には、その教会幼稚園1つしかなかったから。
金銀財宝  そこしかないの?
みっちゃん ええ。幼稚園といえば、町の人たちは皆さんそこに入ったわけです。
金銀財宝  それで行ったわけで、宗教関係なくそこに行かせてもらって、幼き頃に良い教えを教わったと。
みっちゃん はい。
金銀財宝  それを私たちも受け継がれたということでございますね。じゃあ、そこから小学校、中学校、高校と、難なくご卒業なさって……。優等生でした?
みっちゃん いえ。普通の……。
金銀財宝  普通の学生だったんですか? そうですか? そこから大学時代、何かエピソードがあると?
みっちゃん 大学は、両親がとても教育熱心だったもので、都内のミッション系の私立の大学に進学させていただきました。
金銀財宝  ということは、実は東京に来ていらっしゃったんですよね?
みっちゃん はい。東京にいました。
金銀財宝  僕の先輩ですよ。
みっちゃん いえ、とんでもございません。
金銀財宝  どのぐらい前ですか?
みっちゃん 恥ずかしいんですけれども、もうhalf century……。
金銀財宝  half century? ちなみにおいくつなんですか?
みっちゃん いえ、ちょっと……。
金銀財宝  20の?
みっちゃん 20の4倍くらい……。
金銀財宝  20の4倍。
みっちゃん 3倍にしたいんですけど……。
金銀財宝  まあ、20の4倍ぐらいの年ということにしておきましょう。じゃあ、もう何年前? 半世紀前に東京にいらっしゃった?
みっちゃん はい、そうです。
金銀財宝  あらあ。最初はどちらにお住まいでしたか?
みっちゃん あの頃、若い子を東京に出すのはちょっと危険だということで、親類の家に1年間お世話になりました。
金銀財宝  場所は?
みっちゃん 東長崎。
金銀財宝  東長崎? あれじゃないですか? 手塚治虫さんが住んでいた。
みっちゃん そうですね。
金銀財宝  何荘でしたっけ?
みっちゃん ときわ荘。
金銀財宝  ときわ荘があった場所。あそこにいらっしゃったんですか?
みっちゃん ええ。でも、私は見学したことがないんですけれども。
金銀財宝  まあ、そうですね。最近記念館ができましたね。じゃあ、そこに1年間暮らして……。
みっちゃん 1年間おりました。
金銀財宝  その後は?
みっちゃん その後は、大学の学生課でお部屋を探しましたら、たまたま安いところが原宿にあったんですね。
金銀財宝  原宿?
みっちゃん 原宿にあったんです。
金銀財宝  え? あの原宿に住んでいたんですか?
みっちゃん そうです。
金銀財宝  ええ? 原宿のどの辺ですか?
みっちゃん えっとね……。木下……。何通りでしたっけ?
金銀財宝  竹下通り?
みっちゃん 竹下通りよ。
金銀財宝  木下って何よ?
みっちゃん ごめんなさい。竹下通りをまっすぐ行きまして、明治通りがあるんですよ。それで明治通りを渡った、ちょっと路地の角のところのお店屋さんの2階が、女子大学生のためにお部屋を貸していたんです。共同台所と。
金銀財宝  じゃあ、お高かったでしょう? だって、あそこは今じゃ住めないよ?
みっちゃん いえいえ、すごく安いんです。
金銀財宝  安いの?
みっちゃん あの頃は1畳千円の時代ですから。
金銀財宝  じゃあ、今だったら……? お風呂とかあったんですか?
みっちゃん お風呂は無かった。
金銀財宝  無かったの?
みっちゃん 明治通りに銭湯があったんですよ。
金銀財宝  ええー?
みっちゃん それで友達と行って……。
金銀財宝  その当時は、女性でもお風呂が無かったりするから……。それで銭湯に通っていた?
みっちゃん そうです。
金銀財宝  そこで3年間暮らしていた。
みっちゃん はい。
金銀財宝  なるほど。じゃあ、東京で3年間暮らし、ちゃんと勉強してご卒業?
みっちゃん まあ、勉強はほどほどに。読書はしたかと思いますけど。
金銀財宝  じゃあ、東京の大先輩ということでございます。
みっちゃん とんでもございません。
金銀財宝  原宿というのもすごいですね。何もないところですね。
みっちゃん 何もない。人通りもまばらで、遠くに六本木で暴走族のバイクの音がかすかに聞こえる……。
金銀財宝  バイクの音が聞こえるの? 田舎じゃないですか?
みっちゃん そうなんです。
金銀財宝  完璧に田舎じゃないですか。
みっちゃん 本当に。もう、最近ですよね。ああいうふうに……。
金銀財宝  そんな、六本木から暴走族の音が聞こえる……。
みっちゃん 原宿があんなに活気づいてきたのは、最近のことだと思うんですよね。
金銀財宝  そうですよね。すごいですね。じゃあ、そこをちゃんとご卒業、留年もせず。
みっちゃん まあまあに……。
金銀財宝  ご卒業なさって。そして、その後どうなったんですか? 何のお仕事に就いたんでしょうか?
みっちゃん 東京都内でも就職したかったんですけれども、やはり両親に従いまして「男女差のない公務員になれよ」と言われまして、結局田舎に帰ってきました。
金銀財宝  しっかりした親ですね。
みっちゃん ええ、そうですね。
金銀財宝  いいお母様。大学に行かせてもらったんだもん。
みっちゃん 素直な子だったんです。
金銀財宝  あらら。自分で言っちゃっている……。素直な子だったんですね?
みっちゃん はい。(笑)
金銀財宝  そして、何になったんですか?
みっちゃん 一応、高校の教員になりました。
金銀財宝  高校の教員なんですよね?
みっちゃん そうなんです。
金銀財宝  何の教科ですか?
みっちゃん ミッション系でしたから、英語。
金銀財宝  英語の先生ですよ。いいですね。ちなみに、どのぐらいやっていらっしゃったのかな?
みっちゃん 38年。
金銀財宝  38年? 何校ぐらい行ったのかしら?
みっちゃん 7校は転勤しました。
金銀財宝  7校。それで県内ですね?
みっちゃん 県内です。
金銀財宝  県内の7校。そしたら、もうすごい生徒の数を送り出してきたわけですよ。
みっちゃん いや、数えたことはないから分からない。
金銀財宝  千人、一万人……。
みっちゃん いやいや。
金銀財宝  十万人、下手したら百万人……。
みっちゃん いや、数えたことはないから。
金銀財宝  ないですか? 千人はいますか?
みっちゃん 千人ぐらいはいますね。授業に行っていたから。あとクラスを持ったのは5クラス。
金銀財宝  5クラス?
みっちゃん はい。たくさんの教え子が東京に来ています。
金銀財宝  東京に来ていますか?
みっちゃん ええ、来ています。
金銀財宝  ラジオ聴いてほしいね!
みっちゃん そうですね。
金銀財宝  教え子っていったら俺よりも年上ですね? 60とか?
みっちゃん いえ、5~6歳年下かも。
金銀財宝  私と同じ年の人もいるからね?
みっちゃん います、います。
金銀財宝  いますよね? 高校の先生でしたからね。そんないっぱい、いろんな生徒さんがいらっしゃったら、何か面白いエピソードみたいなのはありますか?
みっちゃん たくさんあります。
金銀財宝  あるんですか?
みっちゃん そうですね。まだ教員になりたての頃、新しい英語の単語をリピートするように「Repeat after me」って言って、机間巡視するわけですよね。それでcomfortableって何回も繰り返しながら机間巡視しているんですけれども、ある場所に来ると「ばばあ、ばばあ」って……。
金銀財宝  そんな英語あるんですか?
みっちゃん ないですよ。
金銀財宝  どういうこと?
みっちゃん 結局、いたずらにしていたんですね。
金銀財宝  何だ……。すごい怒ったでしょう?
みっちゃん いや、怒らない。
金銀財宝  怒らないの?
みっちゃん 怒らないけど注意はしましたよ。「だめよ、ちゃんと発音しなくちゃ。」ってことを言いました。でも、私もまだ「ばばあ」って呼ばれるのには抵抗ありましたからね。
金銀財宝  いじっていたんだね。
みっちゃん 30ちょっと過ぎている若さでしたから、ちょっとね……。
金銀財宝  私も小学校の頃とか、家に高校の生徒がいっぱい来ていたよね?
みっちゃん はい。
金銀財宝  何か「みっちゃん、みっちゃん」とか言われていて。大丈夫かなあと……。先生じゃない? 普通。良かったの?
みっちゃん みっちゃん呼ばわりして……。
金銀財宝  みっちゃん呼ばわりされていたの? それで良かったの?
みっちゃん でも、親しみをこめて言っていたみたいなんです。
金銀財宝  そうなんだね。愛されてね。結婚式にもよく呼ばれていたもんね。なるほどね。じゃあ、そういうふうにやって、38年間高校の先生をやっていました。そして、高校を退職しました。さあ、最近はまっているのは何ですか? 何かやっていらっしゃるの?
みっちゃん 38年勤めていて、急に辞めると体がなまっちゃうと言われまして、プール教室に通って……。
金銀財宝  プール教室に? どのぐらいですか?
みっちゃん いや、私はもう金づちで、水が怖い体質で、クロールに約2年間かかりました。
金銀財宝  2年間?
みっちゃん 2年間。
金銀財宝  泳げなかったんですか?
みっちゃん 泳げません。全然。
金銀財宝  何で? 小学校とかプールあるじゃん?
みっちゃん いや、ないです。
金銀財宝  なかったんですか?
みっちゃん 私の生まれた時代はないです。
金銀財宝  じゃあ、泳ぐのは嫌いじゃないですか?
みっちゃん もう、嫌いっていうか、怖いです。
金銀財宝  そういえば、海に行っていた時、おびえていましたよね? うちらは浮き輪をつけて楽しんでいたんですけど。
みっちゃん そうなんです。もう水が怖くて……。だから、子供たちが楽しく泳いでいる様子を見て、これはいつか覚えなくちゃいけないっていう気持ちにもなったし、日本人だから四面海に囲まれていて、日本人として泳げなくちゃっていうもうこともあったし……。
金銀財宝  それで、退職して60で始めたの?
みっちゃん そう、60で。
金銀財宝  今も続けているの?
みっちゃん お休みもすごくあったんですけど、一応18年は行っていますよ。
金銀財宝  18年? もう泳げるんでしょ?
みっちゃん 泳げます。
金銀財宝  クロールは2年かかって?
みっちゃん はい。
金銀財宝  じゃあ、平泳ぎもいけます?
みっちゃん 全部、四泳法は泳げます。
金銀財宝  ちなみにどのぐらい泳ぐんですか?
みっちゃん やっと2年半前に上級コースに入ったから、上級コースのメニューを。それは1日に700から800泳がせるっていう、コーチさんの話ですけど……。
金銀財宝 ええ? 800泳ぐの?
みっちゃん 最低700 ~800泳ぎます。
金銀財宝  20×4のお年で800泳ぐんですか?
みっちゃん いやいや、もっと年配のお年寄りも来ていますよ。90とか……。
金銀財宝  90とか?
みっちゃん 90まで泳いでやめた。今、85~86の方もいるし、もう年齢は関係ないです。
金銀財宝  すごいね。いや800は俺もきついけどね。さすが、ちょっと鍛えていますね。まずね、60で始めるっていう気持ちが、ちょっと誇り高いです。いやいやいや、そんなみっちゃんでございますよ。他にもね、ご趣味があるんでしょう? 好きなものがあるんでしょう?
みっちゃん 好きなことはたくさんありますけど、なかなか取りかかれないでいます。
金銀財宝  その趣味は何ですか?
みっちゃん 趣味と言っても、音楽が好きなんですよ。歌うこと。あと、ちょっと自己流ですけど、ピアノを弾いたり……。その程度です。
金銀財宝  歌もやっている?
みっちゃん 歌は、英語の教師ですから、クリスマスキャロルで英語の歌を歌う時、私、のどが痛かったんです。それで、発声法が悪いと思って、声楽のの先生に1年間習いました。その程度です。でも、すっかり忘れました。
金銀財宝  じゃあ、せっかくですから、歌ってくださっていいですか?
みっちゃん ちょっと恥ずかしいです。
金銀財宝  いやいや、歌ってください。何ていう曲?
みっちゃん イタリア歌曲のニーナの何とかっていう……。
金銀財宝  ニーナの何とかって曲? じゃあ、どうぞ!
みっちゃん ♪ Tre giorni son che Nina che Nina che Nina acciò non dorma più ♪
金銀財宝  もう1回、リピートでお願いします。はい、どうぞ!
みっちゃん ♪ Tre giorni son che Nina che Nina che Nina acciò non dorma più ♪
金銀財宝  いいですね。何かね、この歌、子供の頃にずっと聴いていたような思いがあります。みっちゃんが歌っていましたね。いいですね。
みっちゃん 忘れましたけど……。
金銀財宝  忘れてしまった?
みっちゃん ごめんなさい。今度、練習してきます。
金銀財宝  これを歌っていたんですね。いやいやいや、もうこれで結構でございます。そうですね、歌を歌って、プールをやって楽しんでいますね。20×4のお年で……。いや、もう本当に僕も感謝しております。明るいお母様で……。50でこんなんでも、私を支えてくださって本当に感謝しています。ちょうど偶然、あたしのラジオに来ていただいて、本当にありがとうございます。ということで、今回のゲストは、わざわざ福島からいらっしゃってくださいました、金銀財宝☆只野編隊の母親、みっちゃんでございました。どうもありがとうございました。
みっちゃん ありがとうございました。お世話になりました。
金銀財宝 いや、本当にうれしいわ。俺が泣いてくるわ……。ありがとう。

金銀財宝☆只野編隊のごきげんなラジオ
2023.10.21 O.A.より

イタリア歌曲『ニーナ』について

正確なタイトルは『ニーナが床に臥して三日になる』(Tre giorni son che Nina)
日本では『ニーナの死』というタイトルでも親しまれています。

【イタリア語(原詩)】
Tre giorni son che Nina in letto se ne sta.
Pifferi, timpani, cembali,
svegliate mia Ninetta,
acciò non dorma più.

【日本語訳】
ニーナが床に臥してから3日たった。
笛よ、ティンパニーよ、シンバルよ、
私のニネッタの目を覚ましておくれ、
彼女がもう眠り続けないように。