金銀財宝☆只野編隊 金銀財宝☆只野編隊

EPISODE

狩野英孝

芸人時代の話ですね。
コンビニで働いていた時に、ある方との出会いがきっかけで吉本の芸人になったという話でございます。

東中野の南口にサンクスというコンビニがあったんですよ。そこで働いていた頃、20年近く前のお話ですね。
夜勤をやっていたら
「僕、芸人なんですよ。」
という男性が来たんです。僕はその頃は役者だったんで、お笑い芸人は有名な方は知っていますけども、若い方とか全く知らなくて……。
「ああ、そうですか? 一緒に働くんですね。よろしくお願いします。」
この時に出会ったのが狩野英孝くん。皆さん狩野英孝っていう人を知っていますか? 狩野英孝くん、東中野の南口のサンクスで夜勤をやっていたんですよ。その時、私も一緒に働いていたんですよ。ぶっちゃけ、それがきっかけで、私も芸人を目指すんですが……。

狩野英孝くんは、いろんな事件がありますよ。カレーライス事件とか、ポテトチップス事件とか、白スーツの意味とかね。あと駄目出し。あと狩野くんが一番面白い芸人という話もありますが、どんどん行きましょうね。

狩野くんが来た時は、あのホストのキャラだったんですね。僕、知らなかったけども……。それで
「あの僕、芸人をやっているんです。」
「ああ、そうですか?」
「狩野英孝と申します。」
「そのままの名前なんですか?」
「はい。本名でやっています。」
なかなかイケメンなんですよ。礼儀も正しいし。それで、コンビニ夜勤に来た理由が
「もう、僕、食えなくて。もうお金が本当に底をついて、どうしようもなくてコンビニの夜勤に来たんです。」
「東中野に住んでいるんですか?」
「はい、そうです。」
「うん、よろしく。」
「あの、コンビニは昔、ちょこっとやったことあるんですが、あんまり知らないのでよろしくお願いします。」
ときて……。
いや、背も高くていい男なんですよ。テレビで観ると、ああいう風なキャラクターを演じていますけど、めちゃめちゃいいやつです。格好良くて。それで、あの白スーツ、僕が出会った時代はスーツじゃなかったんですよ。狩野くんと一緒に入った時に
「佐藤さん、ついに受かりましたよ! レッドカーペット!」
「レットカーペット? 何それ?」
「新番組なんです。それで僕、白スーツを着て行ったんです。」
「うん。白じゃなかったんだ?」
「そうなんです。何か、仕立て屋に行ったら、何か勝手に僕が黒いスーツ着ている写真をポスターにして貼っていたんですよ。いい男だからって。それがきっかけで、偶然にも僕は、その仕立て屋で白スーツを新調したんですよ。それで、その白スーツを着てレッドカーペットっていうフジテレビの番組に行ったら、ディレクターさんが『君、白じゃないよね? スーツ。』と言われたから『はい。機転をきかせて、僕、あのこの番組のために白スーツにしたんです。よろしくお願いします!』と言ったんです。」
まあ、それがどうなんだか分かんないけど、受かっちゃったって。

狩野くんとは7か月ぐらい一緒でした。
もう辞めたい、お金がないといって出会ったのに、7か月で爆売れ してたのを目の前で見たんですよ。私も悩んでいたからね。役者どうしよう、辞めちゃおうか、もう辞めちゃおうかと思ってる時に……。そしたら狩野くん売れていったんですよ。
狩野くんに相談したら
「佐藤さん、もったいない。芸人をやったらどうですか?」
と言われて、私はまた道を間違えてしまったんですね。

まだまだいっぱいあるよ、狩野くんの話は……。
カレーライス事件なんて、僕、その当時の狩野くんしか知らないんですけども、一緒に休憩時間を取ってご飯を食べるんですよ。廃棄のカレーライスを狩野くんが食べて、狩野くんもオカルトが大好きだったんで、2人でオカルト雑誌を読むんですよ。狩野くんがカレーライスを食べながらオカルト雑誌を読んでいるんですけど、その後、僕がそのオカルト雑誌を読むんですね。そうすると、犬が食ったんじゃねぇかって感じで、どうやったらこんな食い方するんだってぐらいで、ご飯粒が机の上にばらまかれているんですよ。そして、そのオカルト雑誌を開くと、ご飯粒が入っているんですよ。それ商品なんですよ。そんな人ですね。

あと、ポテトチップス事件ね。
狩野くんと一緒に「お疲れ」と帰っていって、次の日、僕は夜勤に入っていていたら、狩野くんから電話がかかってきたんですよ。
「佐藤さん、すみません。ちょっと食べかけのポテトチップスが事務所の裏に置いてあるんですが、すみません。それ本当は買うつもりだったんですが置いていっちゃったんで、佐藤さん、代わりに払っておいてもらえませんか? あとでお金を渡すんで。」
と言って……。
勝手に食っていたのを最後まで食えばいいのに、バレないようにしたんじゃねえかって話ですね。

あと僕ね、狩野くんに駄目出ししていました。
「売れねえんだったらさあ、僕は役者を13年やってたから、ちょっと年的にも先輩ですよ。売れねえんだったら、そのホスト役やめなよ、ちょっと俺の前でやってみな。おじいちゃんとか、おばあちゃんとか演じてみな?」
とかね、ものすごい怖いことをやっていました。
狩野くん、本当にすみません。あんたすごいのにね。何にも知らないと本当に何でもやっちゃうね。

あと、一番面白い芸人は誰? とその当時にいったら、やっぱサンドウィッチマンというのがいて、M-1を取る前ですよ。狩野くんも同じ宮城県出身で
「宮城県の僕が大使をやりたかったんですけども、サンドウィッチマンが面白すぎて勝てませんわ……。」
みたいなこと言っていましたね。

いや懐かしいなあ。狩野くんに出会わなかったら、俺、芸人をやってないもんな。辞めようと思っていた芸人が目の前で売れていったからなあ……。

金銀財宝☆只野編隊のごきげんなラジオ
2024.12.21 O.A.より